7May

2017年春のドラマとしては、全国平均視聴率が12.4%(1回:13.9% 2回:11.2% 3回:12.0)と底堅いCRISIS~公安機動捜査隊特捜班~。元はいろんな、ワケアリの過去を持った5人が特捜班のメンバーとして闇に立ち向かうというストーリーですが、主役の稲見(小栗旬)と田丸(西島秀俊)にもなにやら過去の問題や人間関係がチラリと覗きます。
crisisの田丸三郎と千種(石田ゆり子)との関係は?
クライシスは事件自体は1話完結なんですが、稲見と田丸が所属する公安機動捜査隊特捜班では何やら不穏な空気が時折流れたり1話では稲見の過去の仕事や2話では田丸が関わっていた捜査に絡む女性が現れたりと、伏線のようなものが見え隠れします。
1話で、警視庁公安総務課長の青沼祐光が言った「連中は一度骨折をしている競走馬です。気を使っていただかないと」という言葉とその上司の警視庁警備局長である鍛冶大輝が「次に骨折したら安楽死させればいいだけ」というなんとも非情な言葉が出ていたので、特捜班のメンバーがどんな位置関係にいるのかわかります。
特に、2話で出てきた捜査官田丸と部下の嫁の林千種が微妙な位置関係にあるということを匂わせています。
二人の表向きの関係は、上司と部下の嫁。部下というのは神の光教団という団体に出家信者を装い侵入捜査をしている林智史。田丸が林に指示をして潜入をさせているんですが、どうもふたりの仲は怪しいですよね。
もともと、田丸は、公安部外事課に所属していて、アジア関係のスパイ摘発や新興宗教団体に協力者を潜り込ませて動向を監視する任務を負っていました。もちろん仕事絡みで林夫妻とつながっているのはわかりますが、それにしても田丸の方が千種に対してなにかしらの想いがありそうです。
これまでのお話しでは、事件がスッキリ完結するわけではなくウヤムヤになったり助けようとした人間を上からの命令で見捨てなければいけなかったりなんだか後味の悪い終わり方をしています。
そんな中、田丸が見せる哀愁というか、どうも千種に想いがあるんじゃないか~と思わせたのは、1話で事件が終わった後、田丸が林の家の前にそっと行き部屋を眺めているシーンや、それに気づき千種もカーテンから外をのぞくという部分。
そして、2話では教会でこっそり会う二人の会話がとても意味深でした。
田丸が千種に封筒を差し出し、「今月分」と言って渡すと千種も「いつもすみません」と返す。
「もしかしてこのあいだの夜うちに来てくださいました?」
「いいえ、行っていません」
千種の女の感もすごいな~と思うのですがね・・・。田丸も口に出せないところが何か気持ちを秘めているというか、西島さんにはぴったりと合う役どころだと思うのです。
千種の旦那の林智史は潜入してから2年たってるとこのときに語るんですが、いつ帰るのか問う場面がありました。
そしてですよ・・・。千種が田丸の様子がおかしいことに気付いて尋ねると
「まだ行かないでください。もう少しそばにいてください」と言うんです。
すると、千種のほうも驚くでもなく「はい」と素直に答えてます。
田丸だけではなく、千種の方も人妻でありながら田丸の気持ちを知っていたのか、それとも千種も同じ気持ちなのか・・・。そして、旦那の職業はクライシスの公式サイトでは林は協力者となっていて、公安関係者とは書いてないんですよね・・・。
林が2年も家に帰れてなくて、「今月分」といいつつ封筒(金?)を妻に渡しているうちに情にほだされたのか、それとも千種本人が部下でその夫がたまたま教団と近い人間だったために利用をしたのか・・・そのあたりも気になってくるところです。